インターネットで変わった旅行業界の広告戦略と価格の裏側

インターネットが旅行業界を変えた時代

メール予約が増えたインターネット初期

2000年前後、各旅行会社のホームページに「問い合わせ窓口」が掲載されるようになり、旅行業界に小さな変化が訪れました。 それまでは電話や来店での予約が主流だったのが、次第にメールやWebフォームからの問い合わせが増えていきました。

紙の広告からWeb媒体へシフト

私はその後、海外ツアーの企画担当となり、かつては「本のエービーロード」や新聞広告が集客の中心でしたが、 徐々に「Yahoo!トラベル」「トラベルコちゃん」「ネット版のエービーロード」といったWeb媒体への掲載の方が予約につながる確率が高くなっていきました。

特に目玉商品があると新聞広告も有効でしたが、年々その割合は減り、ついには2006年に「本のエービーロード」は休刊。 旅行業界の広告主戦場はインターネットに完全に移行していきました。

ネット掲載のメリット:即時価格調整が可能

インターネット媒体の利点は、現地手配会社(ランドオペレーター)や航空会社から割安な料金の提示があった際に、 即座にツアー価格を訂正し、Web上で反映できることです。これにより、柔軟かつスピーディーな対応が可能になりました。

価格設定の裏側にある「送客ターゲット」とキックバック

航空会社とは「半期または通期で何名送客するか」というターゲットを設定し、それを達成すると「1人あたり○○円返金(KB=キックバック)」といった契約を結ぶことがありました。 この仕組みを前提に、ツアーや格安航空券の価格を調整して発表していたのです。

特に大手旅行会社はこのスキームにおいて圧倒的に有利で、目標送客数にあと少し…という状況になると、信じられないような破格の価格設定を打ち出すこともありました。

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この記事を書いた人

旅行業界で30年以上、国内外の手配・ツアー造成・添乗など、幅広くお客様の旅をお手伝いしてきました。
旅行の終わりに「楽しかったよ、ありがとう」と言っていただけることが何よりの喜びであり、また次の旅をご依頼いただけた時に「あの提案でよかったんだな」と感じながら、ずっと仕事を続けてきました。

ただ近年は、インターネットで誰でも簡単に情報が手に入る時代。
お客様ご自身が価格やホテルのグレードなどを比較されることも増え、私たちがご提案する内容よりも、お得に見える選択肢があるのも事実です。
信頼関係のあるお得意様からのご依頼には恵まれていますが、正直なところ、コスト面ではなかなか太刀打ちできません。

そして最近では、AIの進化にも驚かされました。
「もしかすると、これからの時代は“敵”ではなく“味方”としてAIを活用できるかもしれない」
そんな思いで、自分でもAIの可能性を学びながら、このサイトを立ち上げてみました。

旅を考えている方に、少しでも役立つ情報やヒントをお届けできれば嬉しいです。
そして、これまでの経験を活かしつつ、新しい形で「旅の楽しさ」を一緒に考えていけたらと思っています。

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